正直に告白します。僕は本当にダメ音楽リスナーだと思います。
なぜなら、CDをアルバム単位で通して聴くことがとても少ないからです。
僕も音楽を作る側の人間でもあるのでわかるんですが、悩んで悩んで悩みぬいた末に曲順を考えている作り手にとっちゃコレはすごく失礼だし、残念なことだと思います。それは重々わかっているんだけど、通して最後まで聴くことが出来るのは、10枚買ったら1~2枚あればいいほう。「全曲名曲!」みたいなCDでも、各曲をバラで聴くことはあっても、アルバム通して聴くことは稀。古くから世界的にマスターピースとされているビートルズのアルバムだって、CDは持っているものの、アルバムを通して聴いた、というのは数えるほどしかないかもしれない。
僕は、おおむね冒頭3曲の流れとジャケットだけでそのアルバムの内容の7割方を判断(妄信)してしまうダメリスナーなのです。この辺もうちょっと僕の器が広かったら、もっとたくさん好きなCDが増えるとは自覚はしているつもりなんですが、どうしてもそれが出来ない。ホントごめんなさい。我ながら最低だと思います。昨今の音楽ビジネスと消費者の関係について、「サビだけ聴かせる携帯の着うたやCMタイアップ曲が流行っているのは、リスナーの怠慢」みたいなことおっしゃっている評論家の方とかもいらっしゃるかと思う(多分)んですが、すいません、僕もほぼ同罪です。
現代人はいろいろやること多くて娯楽に使う時間が少ないから?やー暇なときでも曲がんがん飛ばしてる。がんじゃあ市場に流通しているものの質が下がっているのか?いや、旧譜もそうだからそれも理由じゃないと思う。んじゃあ原因は何だ?と考えても全然答えは出てくる気配もありません。単純に飽き性なのかもしれないし。
でもね、逆に言ってしまうと冒頭3曲がガツンとくるものは、ハズレもめったにないことも事実です。そのつかみの部分が一番高いハードルなんですが、それを突破できたアルバムって、それこそ何百回と愛聴してしまいます。今日はそんなCDを紹介します。
もともとコアなリスナーには熱狂的に支持されてはいたものの、それ以外のグレイゾーンのリスナーにとっては実質キワモノ扱いされていたエレカシが、一気にポピュラリティを得るターニングポイントとなった起死回生的な位置づけのアルバムです。ジャケットは信藤三雄。
個人的には「2」「生活」など、鬼気迫るテンションが痺れまくるEPIC時代のものがフェイバリットなんですが、以前の作品と較べると洗練、というか整頓されて、宮本味を損なわずにギリギリの時代性を持ちあわせていて、今となってはこれが一番聴きやすい。
なによりこのアルバムの冒頭3曲「ドビッシャー男」「悲しみの果て」「かけだす男」という流れは最後まで聴かずにはいられないものがあります。この10分弱ですべてを語っているようにも見える。
いまだによく聴きます。
>おおむね冒頭3曲の流れとジャケットだけでそのアルバムの内容の7割方を判断(妄信)してしまうダメリスナー
ダメじゃないよ!音楽をつくる側のひとほど、みんなそう言いません?だからi-podは革命的なのだ!って。わたしは音楽を聴く立場のひとなので、いちばんさいしょにアルバムを聴くとき一回は必ず、小説を読むようにさいしょからさいごまで通して聴きますよー。
言ってる事めっちゃ良く解りますよ!私もそういう感覚で聴く事が多いです。確かに冒頭3曲が良いアルバムはアタリな事が多いから。
色んな聴き方があると思うし選び方も沢山あるんやろうけど。
最近の音楽機器の進歩って追いつけないほど進んでいるし、まだ進もうとしている、わけわからん。もう解ろうとすることも面倒になるのです。
なんか時代や環境が音楽を聴くリスナーの耳や考え方を劣化させているような気がするんですよね。
音楽のインスタント化みたいになって、全てが簡単お手軽になりすぎやと思うんです。色んな意味で。
それで円滑に物事進んだり良い様に進んでいる事もあるんやろうけど。
機材の軽量化と共に音楽も軽く扱われていくんじゃないかと、それが心配なんですよね。
なのでミュージシャンは重量感のある素晴らしい楽曲を作らねば対抗できんのかもしれん。と思うんです。
でもこのまま進めば、いい物も埋まってしまうような気がする。
なんか話ズレたけど。そう思った。
いいこといった!
あれですね、iPodの普及によって、昔カセットテープに好きな曲をコンパイルした「my best selection」が、その何倍ものスケールで手軽に作れるってことだよね。
CD=小説ってのはわかるなー。
最近僕あんまり本読まないんだけど、小説って手の触感(=残りページ数の厚さ)でエンディングがわかってしまうのが個人的にはいいところでありさみしいところでもあるなー。最後の曲のケツがゴーストトラックで20分くらい空白あって、その中の数秒だけ曲が入っているCDって昔あった(コーネリアスとか)けど、小説もあとがきが数十ページくらいあって、読み手的に唐突にエンディングを迎えたりする(orその逆)とかあってもおもしろそうなんだけど。
→#4046
いいこといった!
便利すぎるのも考えものですよね。便利になったことで、その恩恵もたくさん受けてると思うんだけど、それによって失ったものも多いだろうし。
じゃ昔のほうがいいか、っつーと一概に言えないところだし。
デジタルになればなるほど、なおさらヒューマンな部分が明るみに出ると思うので、その辺は大事にしたいですよね。作り手も聞き手も。