BLUR/THINK TANK
マル 2003-04-30 [朴訥音楽評]

BLUR/THINK TANK
No.122-(2003/04/30(水) 00:29)

莫大なセッションと、切り貼り番長ウィリアム・オービットの根気で
完成した傑作アルバム「13」リリース後、
ソロ名義でのマリミュージックへの傾倒、ゴリラズの全米進出成功と、
好きなことやればやるだけ胡散臭い存在になりつつあったデーモン。
加えて「BLUR」以降、サウンドの核となりUSオルタナ色を出していたグレアムが
今回のアルバム製作に参加していないというニュース。
7インチでひっそり先行発売された「Don't Bomb When You Are the Bomb
(これすごいかっこいいのになんで入っていないんだ?)」、
「THINK TANK」という、ポリティカルな深読みを容易に喚起するアルバムタイトルなど、
いちファンとしては、なんかもう早く聴きたくてしょうがなかったのですが。

結果としてアルバムを聴くと、
マリミュージック(=非西洋圏音楽)とポピュラーミュージックとの融合、
というよりも、ルーツミュージックに対するリスペクトを、
新しい感覚で、温かみを持って(ここが重要)化学反応させる、
古い引用でいうと中期以降のクラッシュとか、リアルタイムのアーティストで言うと、
BECKに近い感触といったほうが近いのではないでしょうか。
非常に聴きやすいアルバムになっています。
共同プロデュース+エンジニアを担当したベン・ヒリエのミックスワークも
ダイナミックかつ明快。
前述のウィリアムオービットも、担当したのがどの曲なのかわかんねーよってくらいに影を潜め、
ファットボーイスリムがプロデュースを担当した「crazy beat」も、
どう考えても「adbert」「coping」「song 2」系列のブラー節全開。

とはいえ、今回のベストトラックが、
唯一グレアムが参加しているラスト「BATTERY IN YOUR LEG」という事実が、
なんともすべてを物語っているように思っているのは、決して僕だけではないはず。

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