[サイダーのようです]最近よく聴いたCD 201005[愛がこぼれ流れる様は]
マル 2010-05-21 [朴訥音楽評]
Darwin Deez / Darwin Deez
ブルックリンの宅録アーティストDarwin Deezが、2009年に自主製作でリリースしていたCDRが、正規版の1stアルバムとしてリリースされたもの。今年の頭くらいからNMEのサイトで「ストロークスmeetsべック」みたいな触れ込みで超プッシュされていて、サンプラーとかは聴いていたんだけど、アルバムがよすぎる。熱くもなく、寒くもないのに退屈でない曲ばかり。チープな宅録サウンドもストロークスのファーストみたいで逆にかっこいい。 今調べたらcorneliusのPV監督とかやってんのか(しかも本人出演)。その割には自分のPVは作ってないみたいだし。そういう、わけのわからないところも天才っぽいね。早速サマソニに出演するらしい。どっか小さいハコでソロライブを見たい。

Blur / Fool's day
ブラーが個人経営のレコード店を支援する“レコード・ストア・デー”に向けて1000枚限定で販売した(現在は公式サイトで無料DL 可能)7インチシングル。
グレアムがレコーディング途中で解雇された「Think Tank」に収録された「Battery In Your
Leg」以来、7年ぶりに4人でレコーディングされた曲とのことで、どんな内容なのか非常に気になっていたんですが、派手さはないもの「Colin Zeal」や「Oily Watter」などを彷彿させる隠れた名曲の予感。
いまのところ最後の作品である「think tank」は、悪くはないけどいま聴いてもやっぱりあれはブラーじゃないと思うし、最終的に無理やりまとめた感もある。「Fool's day」はそこを通過しつつも、決してそこを向いていないところがすばらしい。レコーディングされた曲はまだある/今後もレコーディングの意思はあるそうなので、うれしい限り。

そういえば、去年のハイドパーク・グラストンベリーフェスの映像を見て思ったんだけど、UKロックの生き神様的な存在のブラーだけど、ライブのハイライトで演奏されるようなバンドを代表するキラーチューンはいまや「girls & boys」ではなく「tender」「song2」あたりで、どちらもあんまりUKロックのメイン・ストリートではないのがなんか興味深かった。ライフ・イス・ゴーズ・オン。

THE JETZEJOHNSON / SOLID BREAKS UPPER
ジェッジの新譜。YMCKなんかも参加しているとのことで聴く前は若干違和感が漂っていたけど、今までからさらに進化/深化したサウンドと、それをとんがったままにはさせない練り込まれたアレンジにとても聴きやすく丁寧な印象を受けた。そういやこの前じゅにあ君に会った時、「1年強スタジオに籠ってた」っていってたから、相当アレンジに時間を費やしたんじゃないだろうか。
個人的には、このアルバムは「エレクトロニックを導入しているバンドにとって、ライブ以外のプロダクトとして、ドラマーの存在意義はどこにあるんだろう?」という僕の積年の悩みを、「そんなんどうでもいいじゃねぇか。俺は好きな音鳴らすぜ」という単純明快な意思表示によって見事に解決してくれた作品のように思えて、いちいち意義を見出そうとしていた俺がバカだった、と反省した次第。

Gogol Bordello / Trans-Continental Huslle
ニューヨークのジプシーパンク、ゴーゴル・ボルデロの新譜。こういう非英語圏の音楽(ボルデロはニューヨークのバンドだが、メンバーの大半は東欧移民)が必ず持ち合わせている、レベルミュージックでありながらもパーティミュージックとして成立しているという点で、クラッシュ>マノネグラの流れの一番ホットなポジションにいると言ってもおおげさじゃない。
日本でもおととしフジロック、去年サマソニに出演したこともあり、がっちり人気を博している様子。非英語圏のポップミュージック・ロックに関して、日本はここ10年でだいぶ寛容になったと思うし、実際大型ロックフェス以外の単独公演での招へいもここ数年で結構催されているみたいなので、アイリッシュ・バルカン音楽に特化したフェスがあれば俺行くのに。主催プランクトンあたりで。

ED SOLO & SKOOL OF THOUGHT / Random Acts Of Kindness
以前からフリースタイラーズとかブレイクス周辺のアーティストのリミックスでよく名前を聴くベテラン・ブレイクスユニットだというのは知っていたけど、これがファーストアルバムらしい。ヒップホップ>ラガ>ブレイクス>ドラムンベース>ダブステップという「ブレイクビーツの歴史」を追うかのようなサウンドに重なってくる、楽しいながらもちょっとだけ哀愁漂うラガ。アルバムとはいえ、なんかリミックス編集版みたいな内容なので、なんにも考えなくてもだらっと聴けるのでオススメ。

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HONDALADY
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