今年上半期よく聴いたものの第2弾です。
The Ting Tings / We Started Nothing
マンチェスターのエレポップ・デュオTing Tingsのデビュー・アルバム。結成して数回のライブでリック・ルービンが惚れ込み直々に契約オファー、というサクセスストーリーの持ち主らしい。なぜリック・ルービンなのかはおいとくとしても、本国での加熱っぷりはもちろん、Katie嬢のキュートさもあいまってすでに日本でも火が付いはじめている様子。アルバムも通して聴くと非常に懐が深い。そして日本盤の帯は木村カエラ。あーなんかわかる。
で、このバンドを日本で例えるとなんだろう?mihimaru GTかな。ちがうか。
Vampire Weekend / Vampire Weekend
名実ともに今年1番のニューカマー。それも納得の内容。ペイブメントがそうだったように、このバンドもビーチボーイズみたいに普遍的なものになるんじゃないかな、という気にさせるほどの甘くて爽やか(でもちょっと変)な内容。
アメリカ人がこのバンドをどう聴いているのかはわからないけど、これを聴いていて心地よい気分にさせてくれるのは、たとえば日本のバンドがペンタトニック・スケールを多用することで演歌のフレイバーを間接的に醸し出すのと一緒で、このバンドはどことなくカントリーっぽさがあるところなんじゃないかなぁ。
ちなみに今年のサマソニに出演が決定しているんだけど、なぜかメッセ。マリンでビール飲みながら見たかったのになー。たぶんフジロックのスタッフは、この人たちをサマソニに取られたのは歯ぎしりするほど悔しかったんじゃないだろうか。
Mute Math / Mutemath
PVが気になっていたもののバンド名も曲名も知らなかったんだけど、別の機会に偶然買ったCDがこのミュートマスだった。こういうバンドって日本にもたくさんいるけど、どうしてこれを日本人がやるとダサくなってしまうんだろう。ほんと西洋人うらやましい。
ところで、なんでこれ偶然手に取ったかというと、CD屋のPOPに「オルタナ版POLICE」と書いてあったのが決め手で。でも買って聴いてみたら、それってただボーカルの声がちょっとだけ似ているだけで、ミニマルな構成の中でとんでもないダイナミズムを描いているPOLICEのサウンドとは真逆のベクトル。
たまたま内容がよかったからいいようなものの、そんな適当なPOP書いてるからCDがどんどん売れなくなるんだよ、とディスクユニオンの中の人に言ってやりたい。
yelle / Pop-up
エレ・ポップとテクノ・ポップの違いはなんなんだろうか?テクノ・ポップよりエレ・ポップは陰鬱とか?んーなんかしっくりこないんだけど、僕の中では「隙があるか/ないか」で聴き分けているような気がする。だからperfumeはテクノ・ポップじゃなくてエレ・ポップだと思うんだわ。だって隙ねぇもん、どこにも。
そういう意味で言うと、このフレンチ小娘yelleはデペッシュ・モードに通ずる湿気っぽさもあるから、ぱっと聴きエレ・ポップだけど、エレクトロ風味がユルユルなので暫定的にテクノ・ポップ。この人もサマソニ出るのかー。見たいなぁ。
gang / zero hits
USブルックリンの男女6人組gang。昨今オルタナ風バンドは多々あれど、なんかどれも鬱々としていて何度も聴けない僕としては、このバンドがもつ突き抜け感というか向かい風を浴びてる感はとても心地よい。GO!TEAMっぽくもあるけど、あそこまでグランドロイヤル感はなく、どっちかっていうと4ADっぽい。表ニューカマーがヴァンパイア・ウィークエンドだったら裏はこのバンド。これはかっこいい!