父の甚平を選ぶ
オオカワ 2005-06-10 [モノ]
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今年は6月19日なんですね。「父の日」なんていう祭典がありますね。年に1回、父を奉る国民的行事の1つですね。

何の因果か俺にも父が1人ほどおりまして、そういやここ何年も父の日なんてなんか特別なことしてなかったなあ、と思ってプレゼントあげようかと思ってみたわけですよ。

仕事してたときはロクに俺のことかまいもしなかったくせに、リタイヤして年金ニート生活しはじめてから時間持て余してるのか、やたらメシ食いに行こうだの飲みにいこうだのとちょっかい出してくるようになった父。なんだその変わり様は。最近の若者言葉だと「ツンデレ」って言うんですかね。そんな父。(以下、泰男)

んで、ちょっとネットで調べてみた感じ、最近の父の日プレゼントの人気商品は「甚平」らしいじゃないですか。涼しげで楽に着られる甚平だったらなかなか良さげですな。年配ウケも良さそうだし。

そういえばこの前、ユニクロで甚平売ってたなあ。ユニクロ、浴衣作ってるのは知ってたけど甚平も作ってたんだ。あと、無印にもあったなあ。

日本の伝統的なリラックスウェアである甚平。さらりとした肌触りの綿素材を使用しました。
刺子風のストライプ柄を出しながら織り上げた、ハリ感のある素材を使用。涼感があり、さらりと着られる夏のくつろぎ着です。

で、自分が着るつもりで買うんだったらユニクロでも無印でもいいのよ。つか、むしろ俺はユニクロも無印もダイスキだし。歓迎。

でもね、これがまた、泰男はいろいろウルサイんすよ。モノにいろいろこだわるタイプ。「別に着られりゃいいじゃん。」って思うんだけど、「織りが。」とか「染が。」とか延々と講釈垂れそうなのがもうハッキリと脳裏に浮かぶ。モノくれてやるのも楽じゃない。

それなら四の五の言わせない様に、ウンチクの1つでも語ってやれるくらいのイッピンを選んでやろうじゃねーか!つーことで、甚平の情報集めてみました。

まず、織り。まあ、俺も甚平博士じゃねーから甚平の有名な織りなんか知ってるわけも無く、「甚平 織」なんつーキーワードでググってみる。なんか、「しじら織り」つーのが有名みたいね。

しじらの特徴であるシボによる独特の風合いと美しさが魅力です。シボの凹凸のおかげでさらりと肌触りがよく、軽くて涼しいのが特徴です。
ひとりの女性の偶然から生み出されたこの織物に、正式に阿波しじら織という名がつけられたのは、明治2年(1869)です。
なお、阿波しじら(たたえ織)は寛政年間の創製で、明治2年阿波縮と改称されましたが、前記のようなエピソードを折り込みながら「しじら」の名がそのまま用いられています。

しじら織り、深けぇー。そんなエピソードがあったのか。偶然の発見がこの織り方の発明に繋がったんだ。「庶民は絹禁止。木綿でも着とけや。」なんつー時代背景もこれに影響してたんだなあ。そうじゃなかったらゼッタイにこの発見は無かったよなあ。それと、このしじら織りを今も作ってるのは5軒の機屋さんしかないのか。こりゃ、こだわりクオリティタカス!

で、染めのほうはしじら織り調べてるときにもう話が出てきてた。阿波のしじら織りの染といったら、もう阿波の藍染、これしかないでしょ。甚平っつったらあの藍色!これ以外ありえない。

吉野川の伏流水。藍を発色させる大切な水だ。豊富な水量に加え四季を通じて温度変化が少ないので、冬も藍が建てやすい。
灰汁醗酵建て法(あくはっこうだてほう)という日本古来の、天然醗酵による染めかたです。

ちょっと調べただけでも藍染も奥が深いなあ。吉野川あってこその阿波藍染なのか。それから藍を染めることを、「藍を建てる」っていうのか。カッケーな、おい。藍の染物見ながら「この藍の建ち具合はなかなかよろしいですなあ。」なんて言ってみてー!いい仕事してますなー。GJ。

藍は建て染め染料であって、水に溶けません。染色をするためには、この藍を溶解させて、染液をつくらなければなりません。これを“建てる”と言います。

なるほどね。藍って染料を発酵させて作るのか。それで建てるっていうのか。なんか普通にすくも(何故か変換できない。染にくさかんむり)の絞り汁を付けただけだと思ってたけど、発酵させて染めるとか想像を全然超えた次元で作られてるもんだったんだ。これ考え出したやつ、スゲー。はじめて納豆食ったやつくらいすげぇ。(発酵つながり)

偶然が生み出した庶民のアイデア商品「しじら織り」に、吉野川の恵みと藍を発酵させ、建てることによって作られる神秘的な「藍染」の魅力。

阿波しじら織り藍染の甚平以外の選択肢が見つからないくらいにサイコウのこだわりのイッピンじゃないですか!もうこれだけのウンチクをチェックしてあれば、モノにうるさいお父さんにもサイコウのプレゼントが出来ることでしょう。四の五の言われる前にしじら織り藍染ウンチクを披露すべし!

つーことで、週末にでもイカした阿波しじら織り藍染の甚平をゲットしようかと思いますよ。ネットで値段見た感じ、1万もあればほぼ最強な甚平買えそうです。楽しみに待ってろよ、泰男!(愚息より)

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【甚平の発祥関連】

現在の甚平+ズボンのスタイルはつい最近に作られたものです。おそらく明治に作られ、昭和の30年代頃まで、夏の男性下着の代表だった『ステテコ』が変化したものでしょう。

元々は上着だけだったのか。

あと、どうしても解明できない謎が見つかった。それは、「なぜ甚平は『さん付け』されるのか?!」ということ。聞きなれてるんで違和感無いんだけど何でさん付けなんですか?甚平って人名みたいだけど、そもそも誰の名前なの?知ってる人いたら教えてください。

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