Freestylers / Raw As F**k
マル 2004-12-14 [朴訥音楽評]
そろそろ今年を振り返ってみたい時期なんですが、今年いろいろ聴いた中で回転数が高かったものをひとつ。半年くらい前に出たFreestylersのアルバムです。今までと比較すると若干ダークかつ攻撃的な印象の音だけれども、前作「プレッシャーポイント」同様、ラガ+ブレイクビーツというライフラインは健在どころか、より強度を増し続け、今作ではなんというか「しなやかさ」みたいなものまで備えています。数多あるテクノ/ハウス系のクリエイターが「ブレイクビーツ」というファンク~ヒップホップの大発明を、ひとつの要素、あるいは道具としてピックアップしているのに対して、ブレイクビーツの音の粒ひとつひとつに「意思」、ひいては「人生」までをも感じてしまうほどのブレイクビーツ第一主義。だから重みが違うのか。いや、わからんけど。
でこのひとたちが更にすごいのは「ブレイクビーツ」という切り札をもとに、ボーカルをはじめとするいろんな素材とのコネクトが可能な点。とってつけたようなコラボレイトには決して帰結せず、すべての素材を食い散らかして血肉化する様は、包丁1本で調理場をさすらう孤高の料理人のようです。そのへんのモンスターっぷりは最近出た人気DJMIXCD「Fabriclive」シリーズの新作でも感じ取れます。
ちなみに日本盤は直系の弟子plump DJ'sが手がけたシングル「push up」のリミックスも収録されていてお得。
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