Weezer / Pinkerton
マル 2004-10-05 [朴訥音楽評]
ウィーザーを聴き始めたころ、雑誌で「アメリカではウィーザーってバカ売れらしい」という記事を読んだんだけど、周りで聴いてる人いないし、本当かなぁ?と思っていたんですが、たまたま手にしたWindows95のCD-ROMの中身にスパイクジョーンズが手がけた“バディホリー”のPVがサンプルムービーとして入っていて、「あ、ホントにバカ売れなんだ。。。」と愕然とした思い出があります。
MTV効果でファーストアルバムが大ヒットして満を持してリリースされたのが、今日紹介するセカンドアルバム「ピンカートン」なんですが、本国ではさっぱり売れなかったアルバムだそうです。
いきなり1曲目「タイヤード・オブ・セックス」でズバンズバン鳴り響く怒涛のビートの嵐の中、「やりすぎてセックス飽きちゃった」と歌うリヴァースは、痛々しさまで滲み出るような凄まじいテンション。かと思えば、好きな女がレズで実らない恋を歌った「ピンクトライアングル」の旋律はものすごい繊細。圧巻なのはラスト「バタフライ」。後半「I'm sorry..」がリフレインされるんだけど、他人事ながら情けなさ過ぎて涙がでる。
とまぁ、ウィーザーのアルバムの中で一番精子臭い、捨て曲なしのベストへたれアルバムなんじゃないかなと思います。
ジャケットも北斎だし、日本のファンからもらったファンレターがモチーフになっている「アクロス・ザ・シー」なんかも収録されてる。「エル・スコルチョ」の歌詞でも蝶々婦人が登場するしね。
このCDは歌詞の意味が解ると何倍も楽しめるアルバムなので日本盤を買うことをオススメします。
あ、もうひとつ言い忘れていたことがあった。蝶々婦人がジャケットを飾るシングル「エルスコルチョ」のカップリング「ユー・ゲイブ・ユア・ラブ・トゥ・ミー・ソフトリー」は超名曲。たった1分半の曲なんだけど、ウィーザーのベストトラックなんじゃないか。
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