眠れるフードファイター
オオカワ 2004-05-10 [コラム]
電話ボックス大の箱に入り、その上から大量のポップコーンでボックスを満たし、それを約8時間で全部食い尽くして脱出する試み

ポップコーンってそれじゃなくてもあんまり大量に食べられなくないですか?やっぱりあのバターのテイストがある程度の量を食べた瞬間からボディーブローのように効いてくるというか。

映画館とかでよく売ってるイメージありますけど、あのポップコーンのバターのにおいって結構におうんですよねえ。俺もポップコーンが嫌いなわけじゃないから、最初は「おー、うまそう。」とか思うんですけど、さすがにずっとそのにおいがしてると、「もういいだろ。」と思うことも。においが飽きる説。

まあ、そんなポップコーンの大食いの話はとりあえず「がんばれ。」って感じなんですけど、ちょっとこのニュースの最後に出てきた名前、見覚えありません?

3年位前ですかねえ、なんかやたらとテレビ界隈で「大食い(早食い)」ってのを競技化、スポーツ化、しかもそれを流行りモノに仕立てようと必死だった時期があったような気がします。

大食い大会の特番が正月に二本立てで用意されてたりとか、そういえば、この大食いをメインテーマにしたテレビドラマまであったような気もしますな。ってか、俺も見てたような気がします。企画は野島伸司氏でした。

それが気が付いてみたらパッタリと「大食い」という言葉を聞かなくなったような気がして、また、その当時、各メディアにも引っ張りダコだった「大食い選手」たちももうすっかりその姿を見ることがなくなってしまったような気がします。何があったのか?

中学校の3年生の男子生徒の1人が、パンの早食い競争をして、のどに詰まらせて病院に運ばれ死亡したと報じられました。一緒に早食い競争をした2人の生徒は、「テレビ番組を見てまねた」と話しているといいます。

ああ、事故があったんですね。。この事故がきっかけになって各テレビ局をはじめいろんなメディアがこの流行りモノから手を引いていってしまったんですか。なるほど。

でも、その事故が全てではなく、元々その企画、競技にちょっとした疑問の声は多かったようです。確かに俺も微妙な違和感は持っていた。

<大食い番組を見ていると何か心がガサガサします> 僕も一種の嫌悪感を覚える。「異議あり」と強く反対するより、「悲しい」とか「寂しい」というような感じだ。

欲望表現を誇張したものが一種、エンターテイメント化するというのは何となくわかる。確かにグルメ番組だって食欲にスポットを当てたエンターテイメントかもしれないし、他にも普通の情報番組においても情報欲求をとらえたエンターテイメントなのかもしれない。でも、その見せ方というか、「見え方」がよろしくなかった部分もあったのかもしれないねえ。決して上品な食べ方だったと思えないような場面も多かったと思うし、選手も少々厳しい表情をしていたシーンも多かったと思う。

毎年、プロレスごっこをして死ぬ馬鹿(これもやっぱり馬鹿だ)がいるけど、だからといってプロレスは放送を自粛してきたか?違う筈だ。それは、プロレスが一つのジャンルとして確立されているからであって、危険であることを皆わかっているからだ。つまり、真似した奴が悪いんであって、プロレス番組が悪いわけではない。

世間一般から見た場合の「文化化の未熟さ」が、このプロレスの状況との違いを生み出したんでしょうかねえ。上に紹介したテキスト、すごく的を得た内容だと思いました。マス読。

大食いを文化として定着させたい!とか、大食いを競技化したい、大食い番組をもう一度!とかっていうつもりはさほど無いんですけど、この「文化としての定着とメディア露出によるインパクトとの順序」っていうのが非常に興味深かったのでちょっと書いてみました。

当時、一種、アイドル化していた大食い選手「フードファイター」ですが今はもう引退されちゃってるんでしょうか。一部の有名大食いイベントではその活躍をまだ続けている選手もいるようですが、ネットを探してみた限り、もう最近の活動はさほど行っていないようですね。

でも、なんとなく思うんですけど、先10年もしないうちにまた「大食い番組ブーム」が来るような気がしますよ。テレビ番組って何となく10年周期で昔のリバイバル企画とかが多かったりすると思うんですよねえ。「ああー、こんなん昔やってたじゃん。」みたいな。そんなノリできっとまた復活すると思います。それじゃなくてもテレビ局側はこの企画が視聴率ガッポリのおいしい企画っていうのは先のブームの時に嫌ってほど味占めてるわけですし、そうそうそんな企画を一切潰すとも思えないんですけどねえ。。

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やよい食堂に行ってきた!
思った以上に値段がリーズナブルなんですが、お味のほうはドウなんでしょうねえ。カレーのこぼしっぷりは豪快を通り越して芸術だとしか言いようが無い。

コメント

これ以上見たくないお涙頂戴の安っぽい難病、身障者ドラマ (ゲンダイネット)
なんかこの辺の話も「数字が取れれば。」発想の典型の気はしますね。世間的にタブー視されてるとこはやっぱり注目集まるとこだったり、「逆境を乗り越える」系のお話はお涙モノ定番だったりと、「必殺」なのかもしれませんけど、さすがに最近のコンテンツ大量消費社会の中ではもういい加減通用しなくなりそうな気もしますけどねえ。いや、やっぱり「古典的」な魅力は不滅なんでしょうかねえ。。

オオカワ 2004/05/10 #2644
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