ダイナソーJrやピクシーズなんかと同郷、イヴァン・ダンドゥ率いるレモンヘッズの比較的初期の音源。
スザンヌ・ヴェガの「LUCA」のカバーなんかもこのCDの聴き所なんですが、やはり特筆すべきは、なんと言っても1曲目「mallo cup」。甘酸っぱいフォーキーな旋律と轟音、そして淡々と、かつ朗々と歌い上げるイヴァンの声、っていうレモンヘッズの良さ、ひいては混沌としたボストンシーンの音を凝縮している曲なんじゃないでしょうか。大雑把に言うとグランジミュージックって貧乏臭いへヴィメタルだと勝手に解釈しているんですが、レモンヘッズに関して言えば、ちょっとそれとも違う良質なポップミュージックだったんじゃないかなぁ、と思います。実際、これ以後はサイモン・アンド・ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」のカバーやったり、どんどんフォーキーな方向に進み、非常に良質なポップミュージックを鳴らしていました。
このイヴァン・ダンドゥ、なかなかの色男でして、バンドの成功と並行して、グランジ界のセックスシンボルとして非常にスキャンダラスな存在だったのですが、元メンバーのジュリアナ・ハットフィールドと別れて、ドラッグでぼろぼろになって、バンドも解散しちゃって、気がつけばオアシスのグルーピーと化していた、みたいな「木綿のハンカチーフ」を地で行くような転落人生をたどる存在になっていました。もう名前聞くことないだろうな、と思っていたんですが、今年のサマソニに出演予定のMC5のツアーメンバーにマッドハニーのマークとともに入っているそうですね。なにかがどうにかすれば、すごい存在になるアーティストだと思うので、なんとかがんばってほしいものです。
Evan Dando、サマソニにMC5で出演するんですか。いいですね。私は昨年、ロンドンで行われた反戦コンサートに出演していたときと、ソロ公演観にいきました。なんかクスリ関係でボロボロになっていたような話しか聞いていなかったので、実際に演奏を観る前は、少々心配でしたが、Lemonheadsの頃と違わぬくらいに復活してました。むしろパワフルだったかも。私も彼のことは、メロディーを書くことのできるソングライターであると思っているので、がんばって欲しいなと思ってます。