元セマンティックスって言うよりも、ベン・フォールズと親交の深い、といったほうが日本では伝わりやすい、ウィル・オウズリーの99年発表のファーストソロです。
ビートルズ、XTC、10cc、先にあげたベン・フォールズあたりを彷彿させる、ぐるぐる回る甘いメロディによるハイライトの連続。先に挙げたバンドはもとより、邦楽で言えば民生とか好きな人は絶対ハマる。特に冒頭「OH NO THE RADIO」のずいぶんねじれてずぶずぶ沈んでいくポップな感覚とか最高。洋楽のタイトルの邦題ってセンス無いものばっかりだけど、この曲に「お願いレディオ」という邦題をつけた人は天才だと思う。

ていうか見てくれ、このジャケ！
僕のジャケ写買いの生涯打率はたぶんイチロー級のハイアベレージだと思うんだけど、
こんなジャケットのCD、悪い内容であるはずがない！
オウズリーの存在は知ってたけど、きっと知らなくったって悩まず買ってる。

話はかわるけど、僕は相変わらず馬鹿みたいに毎月CD買ってて、資本主義の犬みたいな消費生活を送っている。そんななか、最近じゃコピープロテクト仕様のCDがレコード屋の店頭を埋め、市井レベルでCCCDに関する話を聴く。被害にあってPCのハードディスクがクラッシュしてしまった人、CDプレイヤーが壊れてしまった人、消費者をナメているレコード会社、メディアに対して非難している人、、、なかには「コピーできないからファックだぜ！」とまったくもって自分本位に反対している人も大勢いる。そんなん選挙も行かずにサウンドデモで戦争反対！なんて言ってる人たちと一緒だ。アホだと思う。

コピープロテクトCDの被害にあったことはないけど、サンプリングという近代技術がなければ、逆立ちしてもミュージシャンになれなかったであろう僕にとっては、このCCCDとういう仕様はやはり厄介極まりない。もうなんか根本から覆されているような気分だ。

僕はいち消費者でもあり、CD売って人からお金もらっている分際でもあるから、双方の言い分もすごくよくわかるし、正直結構悩む。
そんな状況なので、コピープロテクトに関する自分の回答はちょっとまだ出すことができない（僕が答えを出す前に問題は解決しているかもしれないけど）のだけれど、ひとつわかったことがある。CCCD仕様を販売するレコード会社側の言い分が「不正コピーによる深刻な売り上げ減」だとしたら、CDは他のエンターテイメントメディアと比較して、貨幣価値が市場経済と不釣合いだからコピーされるし、売れないのだ。多分小説やマンガのほうが早いし安い。テレビなんてタダだぜ？

CDは所詮デジタルメディア。音源はコピーされてナンボなんだから、デジタルな部分はもちろん、アナログの部分でも勝負しないと。DVDが特典でついてくるCDも結構出てきているけど、もっと根本的な話で、手に取る消費者の心がワクワクするようなパッケージにしないと。

だってみてみろよ、このジャケ。
このジャケ手に取っただけでこんなに幸せな気分になれるし、曲聴いたらもっと幸せな気分になるんだから。