上田現/十秒後の世界
マル 2003-11-20 [朴訥音楽評]
日本が誇る鬼才・上田現の新譜です。
相変わらずつげ義春にも匹敵するシュールな詞世界とノスタルジックな旋律が交錯する中で、
「ワダツミの木」セルフカヴァーなんかもやってて、
なかなか面白いアルバムなんですが、なんといってもアルバムの目玉は、
ファーストアルバムのタイトルチューン「コリアンドル」。
元ちとせコーラスでリテイクしてるんだけど、
前バージョンのバイオリンパートを元ちとせのあんこ椿コーラスに全部差し替えてて、
これが驚異的にいい。
昔インタビューで上田現本人が
「バイオリンはすごい官能的な楽器だ」
みたいなこと言ってたんだけど、やっと意味がわかったような気がする。
「わびしさ」を体現するミュージシャンという点では、
日本で唯一無二の存在。だよな。
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