talking heads「Little Creatures」
No.9-(2001/01/18(木) 21:31)
えー、僕の勝手な解釈なんですが、
「ロック」(ここでは音楽ジャンルの「ロックンロール」ではなく、ロック的な意識の面)っていうのは、
白人による黒人コンプレックスの歴史に尽きると思うんですね。
古くは60年代R&Bの時代から遡って、
結局、現在だって白人はヒップホップのリズムに羨望の眼差しを向けてる訳だし。
「あーいいなぁ、黒人。あんな野太いグルーヴを演奏できて」
多分白人は、ずーっとこういうことを思ってきたわけです。僕の勝手な予想だけど。
そんな中、70年代末に登場した、ニューヨーク1の気取り屋さん、デヴィッドバーン率いる
アングロアメリカン達、トーキングへッズは
「あーいいなぁ、黒人のビートって。俺らもああいうファンキーな演奏してみたいなぁ・・・
あ、そうだ!メンバーに黒人入れればいいんじゃん!」
と、金にモノ言わせてFAでホームランバッターばかり獲得する長嶋ジャイアンツのごとく、
自分達以外全員1流黒人ミュージシャンをサポートメンバーとして迎え入れちゃったりする人たちで、
ある意味黒人コンプレックス丸出しの人たちだったわけです。
(この辺は、昨年日本でリバイバル上映された「ストップメイキングセンス」っていう
ドキュメントライブ映画を見てもらえばわかります。)
誤解して欲しくないのは、僕はそういう彼らが嫌いだ!って思っているわけではなくて。
事実、ブライアンイーノプロデュースによる「リメイン・イン・ライト」とかはすごい好きで、
いまだにフェイバリットだったりしてます。
ただ、今日聴いてた「Little Creatures」ってアルバム、ものすごい自然体のアルバムなんです。
日本では自動車のCMで使われててヒットした「ロードトゥノーウェア」をはじめ、
ファンクを基調にしながらも、フォーキーでギミックに凝らない等身大のオンパレード。
「俺も若い頃は肩に力入ってたけど、やっぱりこういうのもいいいよね。」
とアコギ片手に囁いてるかのようなステキなアルバムです。
「このアルバムをあの娘に聴いて欲しい!」
と、高校時代に少ない小遣いフンパツして、好きだった娘にプレゼントしたら、
その娘はニューキッズオンザブロックのファンで、そのCDにはまったく興味を示してもらえなかった、
なんてトホホなエピソードも、今では笑い話。