talking heads / Little Creatures [サルベージ]
マル 2006-07-05 [朴訥音楽評]
僕の勝手な解釈なんですが、「ロック」(ここでは音楽ジャンルの「ロックンロール」ではなく、ロック的な意識の面)っていうのは、古くは60年代R&Bの時代から遡って、ヒップホップのリズムに羨望の眼差しを向けてる現状を見ても、結局は白人による黒人コンプレックスの歴史に尽きると思うんです。

「あーいいなぁ、黒人。あんな野太いグルーヴを演奏できて」

多分白人は、ずーっとこういうことを思ってきたと思うんです。
そんな中、70年代末に登場した、ニューヨーク1の気取り屋さん、デヴィッド・バーン率いるアングロサクソン達、トーキングへッズは

「あーいいなぁ、黒人のビートって。俺らもああいうファンキーな演奏してみたいなぁ…あ、そうだ!メンバーに黒人入れればいいんじゃん!」

と、自分達以外全員1流黒人ミュージシャンをサポートメンバーとして迎え入れちゃったりする人たちで、それがいいか悪いかは別として、ある意味黒人コンプレックス丸出しの人たちだったとおもうんです。

ただ、今日聴いてた「Little Creatures」ってアルバム、ものすごい自然体のアルバムなんです。日本では自動車のCMで使われててヒットした「ロード・トゥ・ノーウェア」をはじめ、ファンクを基調にしながらも、フォーキーでギミックに凝らない等身大の楽曲のオンパレード。「俺も若い頃は肩に力入ってたけど、やっぱりこういうのもいいいよね。」とアコギ片手に囁いてるかのようなステキなアルバムです。

「このアルバムをあの娘に聴いて欲しい!」

と、高校時代に少ない小遣いフンパツして、好きだった娘にプレゼントしたら、その娘はニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックのファンで、そのCDにはまったく興味を示してもらえなかった、なんてトホホなエピソードも、今では笑い話。

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