とかいわれてもいったいこのニュースに何人の人が反応するのか正直微妙なんですが、「そもそも誰だよダイナソーJRって?」とお嘆きの皆さんに向けて、今日はダイナソーJRというバンド、そしてその中心人物のJ・マスキスとはいったい何者なのか、というところから話をしたいと思います。
まずは、バイオグラフィー関連から。
thumb.net(国内最強のダイナソーJR/Jマスキス情報サイト)
今から12~3年ほど前、ガンズ・アンド・ローゼスに代表される仰々しいハードロックが主流だったUSロックシーンのカウンターとして、シアトルを中心として発起したムーブメント、グランジロック。ムーブメントと呼ぶにはあまりにも連帯性が薄いので、どんな音楽か?とか、「グランジ」という言葉の意味はここでは割愛しますが、ニルヴァーナのブレイクによりUS、しいては世界のロックシーンがもっていた前述の構図をあっさりひっくり返してしまったムーブメントだったのでした。
んで、この「グランジ」というキーワードを、当時日本一のロックジャーナリズム誌だった「ロッキングオン」は当時、悩んだ挙句に「殺伐」と略しました。轟音ギターに泣きメロディ、そして虚無感たっぷり歌詞をのせて歌う、Jマスキスの魅力を一言であらわすと、まさにこの「殺伐」ではなかったのではないかと思うのです。
んじゃどのように殺伐なのか、というと…以下、"recommuni"Jマスキスコミュより抜粋。
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「ファズはペダルじゃなくて脳味噌から音をだすんだ」
(ソロアルバム「more light」リリース時のインストアイベント@HMV渋谷にて、会場のファンからファズの使い方についてきかれた際のJの返答。)
「なるべくなにもしないようにしてる」
(アルバム「BUG」を出した当時のインタビューで、大学を辞めたというJに普段なにをしているのかとたずねた時の答え)
「ウシになりたい…ウシが好きなんだ」
(インタビューであまりに反応の悪いJに業を煮やしたインタビュアーが「何か好きなものとかあります?」と聴いたときの返答)
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「それのどこが殺伐なんだ?」と思うかもしれませんが、川原で石を売るかのような、こんな倦怠感バリバリの人が、ものすごい泣きのメロディを奏でるわけです。ファンの多くはそのギャップに惹かれているんだと思います。
ダイナソーJR解散後、Jマスキスは「J mascis + the fog」というバンドを率いてソロ活動を行っています。比較的コンスタントに新譜もリリースされているし、数年前にはアルバムリリースにあわせて来日公演も行いました。
冒頭の話に戻りますが、「ダイナソーJR来日!」というニュースは、実はファンにとってはそんなに驚くべきニュースではないんですね。それはなぜか?Jはソロでもダイナソー時代の曲を頻繁に演奏してるし、ぶっちゃけソロだろうがダイナソー名義だろうが、たいして変わらないんじゃないか、と思っているからです。
長くなったので、続きはまたそのうちに。
というわけで、ダイナソーJRのセカンドを紹介。Jがかかわっているアルバムはハズレなんてひとつもないんですが、荒削りながらも突拍子もないアレンジで唄う刹那ギターがギラギラと輝きまくる裏で、けだるい魂の叫びボーカルが響くこのアルバムは、100人が聴いたら100人が「いい」という代物では決してないけれど、100人のうちの5人ぐらいのハートに爪を立ててわし掴みにするはず。俺も最初は「へ?」なんて思ってた。
で、友達に「そんなに日本で人気あった?」って聞いたら
「ライブハウスにダイナソーをクソにしたようなバンドは一杯いる。」
との事。
でも正直フジっぽいなーと思うニュースでした。