8月21日に遂にリリースされる、ホンダレディのニューアルバム「東京VINYL」。
アルバム製作秘話、収録曲の解説、その他もろもろに関して、
わがままツートップことマル+Dieがぶった切る!
-アルバムを作る前に考えていたことはなんですか?
Die
最初にマル、僕、へーくんで案出しをしたんだよね。
何故か三茶のオシャレカフェで(笑
そのときに決まったのが『タイトル:スーパーカー』
PVはF1っぽいので、ジャケも連動してF1ネタ。
その次の日、スタッフ揃えてミーティングで発表したら、一同苦い顔で(笑
今考えると、突っ走ってたねー。
マル
あはは、そうそう。その後、メンバー、スタッフ間で
「マンチェスターっぽい感覚」がほしいよねー、って話してた。
ジャンル・手法が、ってよりも、なんか音楽を取り巻く熱みたいなものとして、
マンチェスタームーブメントみたいな感覚がほしいなぁ、と。
Die
でもさー、僕はマンチェスターなんて全然わかんなくって。
つか知らないし。ホント音楽的知識がないのよなー。
感覚だけでやってるので。洋楽邦楽問わず!(笑
マル
そのために、まずDieちゃんに
「マンチェスタームーブメントが何たるか」
を説明するところからスタートしたんだよね(笑
Die
マルが「コレがマンチェスターロックだ!5選」
みたいなのを貸してくれてね。
マル
何持ってきたんだっけ?
ローゼスとプライマルとハッピーマンデーズとフリッパーズと…
Die
ローゼスとフリッパーズは聞いたんだけど、
実はあとは聞いてないの。ごめんね(苦笑
マル
これからレコーディングなのに聴く暇ねえ!っつーのなぁ(笑
んでデモを持ち寄って。アルバム用に書き下ろした曲が20曲くらいで、
既存曲も合わせると、40曲くらいあったんじゃないかな。
-デモはどういう感じで進んでいったの?
Die
最近の僕の曲作る手法が、このネタイイ!みたいな作り方だったから、
温めてたサンプリングを駆使して作ったんだよ。
これが、後々地獄を見ることにもなるんだけど(笑
マル
曲作りにおいては、なんつーかホンダレディ始めた頃って、
「僕らは普通のバンドよりも自由だ!」みたいな感覚があったんだけど、
長いことやってくうちに、いろいろ制約ができてきたなぁ、って思ってて。
細かいことをいうとテンポとか、リズムとか、鳴らす音色とか、
ホンダ内固定観念ができちゃって。
「僕は良いと思うんだけど、ホンダとしてはどうだろう?」みたいな。
今回のアルバムでは、そのあたりを一旦クリアにして、
もう気の向くままに曲を書こう、と思った。
Die
僕は、ちゃんと作ろうとマイコンに組み込んだreasonを駆使して作ってはみたけど、
しっくり来ずに結局クローゼットからMY FIRST SHINTHESIZER=D20を引っぱり出して、
メロを組んだりして、久々に真っ当な音楽作りに取り組んだよ。
お前、ナメ過ぎだよ!って感じだろうけど(笑
結局、それらの曲は没になっちゃったんだけど、
選考会で票が入ってたので良かったなぁ(笑
もっと詰めて復活させようかしら。
マル
あ、それから今回は、
僕とDieちゃんが作ったアルバムにしたかったってのもあって、
なるべく既存曲は避けたんだよね。
まぁ確かにライブでお馴染みの既存曲を入れるのは
手っ取り早いしわかりやすいんだけど。
Die
選考会で(既存曲も)上がってたんだけど、
今までのホンダレディの延長上の曲みたいなのが落ちてった気がするなぁ。
だもんで、ライブでやっててアルバムに入ってる既存曲は、新機軸なのかなぁ?
-レコーディングについて、聞かせてください。
マル
ワーナーのプリプロルームから始まって、いろんな場所に流浪の旅にでたね。
個人的には一つのスタジオでやりこむよりも、いい意味で気分転換になった。
Die
僕は本格的レコーディングなんて初めてなんで、
何をやるにもドコに行くにも常に楽しかった。
新鮮な衝撃ばっかり。トークバックのボタンとかいちいち緊張してたし(笑
マル
レコーディングに入る前にプリプロ期間が2週間くらいあったから、
そこで曲の大枠は固めて、必要になってくる生演奏パートを割り出して、
レコーディングでそれを録音して、CDRに焼いて、
自宅に持って帰ってまたエディットしなおして再レコーディング、
みたいな流れかな。
Die
テクノって個人音楽じゃん。
でも、それじゃ面白くないからバンドでやってる訳であって、
プリプロ入るとか集まって作るのって重要だと思っていて。
それが今までは全然なかったのか?と言われれば、僕は前のアルバムとか
全くと言ってイイ程関わってないんで良く知らないんだけど。
でも二人になってから必然的にそういうのが増えた気がした。
ライブのオケとかからね。時にはへーくんも交えて。
マル
そうだねぇ。
どうしても一人で打ち込みしてると、判断鈍っちゃうからね。
メンバースタッフ含め、キャッチボールできる環境があった、
ってのはすげーデカかったなぁ。
すげーバンドっぽかった。
Die
今回のプリプロは、僕的にはそれが嬉しくもあり、プレッシャーでもあったなー。
-それでは各曲の解説をお願いします。
「life + beats」
マル
冒頭に挙げた、マンチェスターの空気を注ぎ込みたい一心で作った曲。
この曲と「アドアド」のミックスは渡辺省二郎さんにお願いしたんだけど、
なんか良い/悪いのチョイスがスパっとしてて、やってて楽しかったなぁ。
ためになること、ならないことを聴いたり、
途中で担当ディレクターが一皮剥けたり(笑
Die
こーいうのがマンチェなの?(笑
マル
や、全然違うと思う(笑
Die
でも、デモの段階からハッキリと着地点が見えてんだろーなーと思ってた。
バンド演奏を素材として使うってのが贅沢。
マル
歌の入れ方で試行錯誤したねぇ。
結局ラップともなんともつかない物になったけど。
前半はショーンライダーみたいな、
テンション高いトーキングヴォーカルを目指して。
Die
省二郎さんに「前半卓球で後半瀧だね」と言われて、
本物やってる人にそー言われるってすげぇなぁと思った(笑
一人電気(笑
マル
アドリブでサビ部分の叫びを入れたら、
あっさりOK出てね。
声枯れるから、2度といれられないんだけど(笑
Die
途中の303はreasonのフェイクなんだけど、
マルが打ち込んだのを僕がそれらしくビキビキ鳴らしてます。
本物と遜色ないんじゃないかな?
クラシックな303の音色と使い方を意識しました。
「シャルロット」
マル
これって、青春パンクすれすれなんだけど、
とにかく刹那的なものをギュッ!と凝縮したかった。
演奏的には今までのホンダレディだったら、絶対ナシの曲だと思う。
結局打ち込みは冒頭のビートボックスの部分だけだもん。
Die
ライブでは最後にやってる曲で、僕のなかでは締めの曲が2曲目に!
そんな訳で曲並べ会議でラストに持って来ようと主張したのだけど、結局2曲目に。
でも、今思えばこれで良かったかなとも思うなぁ。
楽器なんて持ってないバンドなのにバンド演奏、というとんでもない曲に仕上がりました。
ポップなようで男気のある変な曲。マル節爆発?
マル
男気っつーか、女々しさ?なのかなぁ。
「アドアド」
マル
このアルバム収録曲の中では一番古い曲。
実は没トラックとして眠っていたところ、
知り合いのバンドがこの曲をカバーしてくれたのを聴いて
「いい曲だなー」って思って。
Die
マルは自分で作ってすぐ没にしちゃうんだけど、
こーいうのを埋もれさすからバカです(真顔で)。
デモやライブでやってたのから、劇的に変化したねー。
仕事帰りのウォークマンでデモ聞いたてたら泣きそうになったよ、
っつーので大プッシュしたんだよ。
マル
慌ててオールドスクールブレイクビーツを基調に作り直して。
Die
アレンジをどうかしようかと、
会議で言っててホーン隊とかピアノとかいろいろ出た中で、
僕の頭の中ではもうストリングスのイメージだったんで
「ストリングスがイイ!」って言ったら、
じゃあそれで、みたいに決まっちゃったのよなー(笑
マル
んで、ストリングスアレンジの蒲池女史が作ってくれた譜面を見たら、
五線譜の上に線が6つたされていて(笑
録りの時、弦カルの人が「こんな音、高すぎてならねーよ!」って言ってて(笑
Die
コーラスも難航して、最初はとある女性シンガーだったんだけど、結局無理でねぇ。
デモテープ送ってきてる子の中から、声のイメージ近い子捜して無事、音琴ちゃんに。
もう礼儀正しいかわいらしい子で、惚れっぽいDieさんはドキドキしてました(笑
ストリングスアレンジの蒲池さんもまたかっこいい方で、妥協はしないわよ!
みたいな指示で。これでまたドキドキ(笑
弦カルテットの方々も、演奏してるよ-すげーなーって見ててドキドキ。
省二郎さんのマジックミックスにもドキドキ。
マル
そして健気に頑張るアシスタントエンジニアの子にもドキドキな(笑
Die
もうドキドキ尽くしの曲ですよ(笑
TD終わった後に、毎日寝る前と起きてから聞いてたぐらい好きな曲。
マル
そうそう、この曲、PV録りまして。
手がけたのは以前「サヨナラ超特急」録ってもらった広岡さん。
Die
こないだPVが上がって見たんだけど、コレもやばい!
マル
これからMTVとかスペシャとか、TVKとかで見れるんじゃないかな。
こちらも乞うご期待です。
「春の小山」
マル
この曲をDieちゃんが作ってきたとき、
ちょうどバンド的に方向性を模索していた時期で、
何を作ればいいんだろうねぇ?みたいな気分だったんだけど、
コレ聴いて僕の中ではすんげーでかい風穴が開いたんですよ。
ホンダレディを始めた当時を思い出したというか、
「あ、そうだよいいんだ!コレで。」みたいな。
Die
ホンダサポートの時から、曲を作ってもリミックスとか、
繋ぎの曲みたいので自信はなかったんだけど、
これを作った時は、うわ出来た!自信あり!みたいな感触だったと思う。
一年前ぐらいで良く覚えてないけどね。
案の定、周りの反応も良くて立派に収録となりました。
マル
マーチっぽい曲調も相まって、すげー前向きな気分になったなー。
Die
サンプルネタの原曲がすばらしく、ネタ勝ちってのもあるんだけどね。
そこに、当時ハマっていたブレイクビーツを足して、大ネタっぽく仕上げました。
デモから本チャンにする段階ではラップになったり、
303ビキビキだったりする曲になってたんだけど、
結局シンプルになりました。それでよかった(笑
マル
デモが形になるまで結構難航したんだよね。
Die
そうそう。
マルに「こうじゃない」とか言われて。「ここは残して」とか。
歌詞は、作ってる時頭の中でゆらゆら鳴ってた最後の
「悲しげに流れるメロディ」ってのは絶対!
っつーリクエストで、マルが骨組みを、イメージ修正を僕がしたのかな?
アッパーな曲なんだけど、僕の中では飛び下り自殺寸前の心情の曲。
でも、立ってるのはなだらかな草原の上。
マル
挙句レコーディングも難航してね。
この曲、ホンダが2人になって初めてのライブん時に配ったんだよね。
その時のクオリティがホント納得いってなくって!
自分で録ったくせに(笑
Die
あれは酷かった!(笑
声ループだし。配るから、デモだからつって(笑
これって「hello,hello」と同時に録ったんだけど、
レコーディング始めてで、失敗とか一杯したねー。
2ミックスのMDをマスターです、って持って行ったりとか(笑
現場でリズムマシンのシーケンスデータを焦って消しちゃったりとか。
今だから言えるんだけど(笑
マル
ヴォーカルもいろんな歌い方試して、
原型がなんだかわからなくなるくらいまで色々加工したな。
そしたら子供のトラウマに残るくらい不気味なものに仕上がって(笑
でもなんかそれがしっくり来るっつう。
そのうち機会があったらアカペラ聴かせたい。
「teenage of the year」
マル
好きなCD聴きながら、美味しくお酒が呑める機会がほしいねぇ、
と僕が友人と始めたDJイベントのオフィシャルテーマソング。
Die
最初に聞いた時はFATBOYチックの曲だなぁと。
トリップホップとか出てきた時代のドン臭い感じね(笑
マル
もっと呑気で鈍くさいノリにする予定が、
総勢10名のコーラス隊の活躍で、フーリガンソングみたいになった。
Die
んでマルが「フーリガンソングにしたいんだよねー」って言ってたので、
そん時流行ってたフーリガンハウスなるジャンルの
レコードを買ったりして聞かせたりしたねー。
マル
このあたりから、僕の歌詞ネタが枯渇し始めて(笑
途中からダイちゃんに丸投げ。
Die
「ダイちゃん、明日までにこことここよろしく!」みたいに言われて、
帰って寝る前に書いたんだよ。
大好きなイベントのイメージと、
そこに集まる同世代の音楽ファンの共鳴できる部分を抜き出して。
ディレクターに「スチャみたいやなぁ」と言われたけど
スチャしか知らね-もんよー。しょうがないですよ。
むしろ、してやったりですよ(笑
ニヤっとするキーワードが、いっぱい隠されてます。
「アステカ」
マル
Dieちゃんはデザイナーでもあるわけなんだけど、
この曲のデモを初めて聴いたとき
「デザイナーが作る音楽だなぁ」とつくづく感心した覚えがある。
アッパーなサンプリングをふんだんに使って、
ここまでしっとりした曲を作れるのは天才だと思うね。
Die
はい、天才です。って、うるさい!(笑
マル
や、マジでマジで(笑
こういう曲、僕絶対つくれないもん。
Die
これは、以前ホンダがプロデュースしてたアイドル
『METAMO』の曲がすげー良くて。でも、歌がすげー下手で(笑
もったいなくてずーっとこのサンプルで作り直したかったのよ。
で、作ったの。
マル
デモ持ってきたときにビックリしたね。
「あれーなんか聴いたことある」って。(笑
Die
「なんだっけ、これ?」って言ってたもんね。
そっから、大好きなポッピーズを絡めたり、
片っ端から12インチ聞いてサンプルしまくった。
だもんで普通に音楽やってる人なら絶対しないような
相当無茶な使い方とか平気でしるらしいです。
それが災いしてか音をばらし辛くて、エンジニアさん泣かせな曲になっちゃった。
歌詞も、プリプロ中に唸って書いたなぁ。マルが唄ってる後ろで(笑
今までの人生総括感?実家出てきて故郷を思い出す感じ?今の自分の状況?
そう言っとけば、らしいかな?(笑
マル
んで、プリプロ中にアコギを入れたくなって、
ニュートリノのカズヒロックを呼んでギターを頼んで。
Die
それがやっぱり大正解でね。無理な注文にも答えてもらって嬉しかったなぁ。
「弦を擦る音が欲しい!」とか「ループでいいです!」とかいうレベルなんだけども(笑
あと、マルがほとんど口出ししないので、嬉しいと同時に不安タップリでした(笑
マル
いや、いい曲だからいじるところねーな、と思ってただけ(笑
「mint condition」
マル
今までいろんな人に
「で、一体ホンダレディってどんなバンドなの?」という質問を受けてて、
なかなか説明しきれない部分があったのだけど、
この曲ではそれを逆手にとって
ホンダレディ的に一番遠くにあった音楽を意識して作ってみた。
Die
デモで「2ステップを作ってみた!」的な曲だったんだよねー。
ちなみに他の候補曲で「トランスを作ってみた!」ってのもあったよな(笑
最初のコードとリズムとかほぼ変わってないよね。
ベースは生で弾いてもらって、それをマルが加工したんだよねぇ。
マル
もうね、どの曲にもいえるんだけど、
切り貼りの嵐!ですわ。
莫大な量の生演奏を使って、ものすごい細かく切り貼りしてる。
聞いてる側からすりゃ、あんまりわかんないと思うけど。
Die
それがしっくりきてるんだから、いいんじゃない?
んで、コーラスというか女性Voパートを真城さんに!
さすがプロ!
ほとんど一発オーケーでどのテイク使うか迷った程だったよなぁ。
真城さんの「今まで出した事ない音域を使った」っていう言葉が印象的でした。
マル
一応ね、真城さんやってくれるってことになった後に、
家にある真城さんが携わったCD全部聴いたのよ。
でも、どの曲もこの曲のキーは歌ってなくって。
それに気がついてたんだけど、皆には内緒にしてて(笑
Die
制作秘話としては、途中のボコーダ-部分、
マルシャウトバージョンもあったんだけど、雰囲気にそぐわない点で却下。
マル
そのイメージってのが、
「ボロボロになった家電が、持ち主に対して抱く思い」で(笑
Die
その家電つーのも、古いトースターとかなんだけど(笑
そのボコーダーの雰囲気も録り直したりなんだりで、
アシモみたいな高級ロボテイストになっちゃいましたが。
マル
意味わかんねーよな、そんなこと言われたって(笑
Die
あと、ミックスの段階でもっとクリーンだったんだけど、
思い出したようにエンジニア吉村さんが
「こーいうの、どう?」みたいに録った、
通称「吉村さんボアボアミックス」が採用されたのもいい話だと思うんだけど(笑
「GOD NEVER SAVE YOU feat.LIQUID FUNK」
マル
今回のレコーディングは、CDやレコードからのサンプリングは減ったかわりに、
人に弾いてもらった膨大な数の生演奏を各パートに録音して家に持って帰って、
自宅で細かくエディットしたんだけど、そういった手法はこの曲が1番顕著で、
昨今のヘヴィロックバンドには表現できない、とてもエキサイティングな曲
に仕上がったね。
Die
もともとのデモは、ロッキンギターリフに最後レイブシンセが
入ってくるトコで終わってたんだけど、それがこんな感じに!
LIQUID FUNKのみなさんにバンドでベタ演奏してもらって、
それをHDエディットした感じなのかな?
通常のバンド演奏ではありえない音の刻まれ方してます。
マル
音の切り貼り自体は、ものすごい地味な作業だったんだけど(笑
Die
中盤のレイブシンセをマルが消そうとしてたんだよねー。
それはさすがに反対したよ!
だってこのシンセが僕の中では、この曲のキモだから。
ロックとレイヴが交差してるのなんてあまりないし。
しかもレイヴつっても、オールドスクールハードコアだからねぇ(笑
マル
世界的に捉えても、今までありそうでなかった曲だよなぁ。
Die
この曲もちょこっと歌詞書いたんだけど、
歌の乗り方も歌録り当日まで良く分からなかったんだよなぁ。
マルの中だけにある感じで。
マル
このあたりから、もう歌詞書くのが辛くて辛くて(笑
ほんと極限の状態でひねり出しました的な。
Die
そんな素振りは、全く見せずな(笑
歌録り前日に、「YOUの続きにある歌詞を考えてきてー」とか言われて、
また帰ってベッドに寝転んで書いた。
思いつくままにずらずら書いて、いいのを採用された感じかな。
ウォーミングアップだった「涙の数だけ~」とかね(笑
イメージは「あ~おまえダメだなぁ」ってフレーズ。
自分にあてはまるのもいくつかありますよ(笑
マル
このコーラスがYOU隊って言うんだけど、
構成人員はDieちゃんとへーくんとディレクターのTAK。
YOU YOU言ってるだけなんだけど、ホンダ内で大人気(笑
Die
空き時間に「YOU隊のオールナイトニッポン」なんて番組も放送されてました(笑
番組内でかける曲は「カーペンターズでイエスタディワンスモア」
ずーっとそれ(笑
「crazy taxi」
マル
最後の最後まで難航した曲だったけど、
レコーディングの合間にDieちゃんと2人でハードフロアのライブを観にいって、
えらい衝撃を受けて、次の日慌ててTB303を追加録音した(笑
ハードコアな内容ではあるけれど、
根っこの部分は非常にオーソドックスなガレージロックだと思う。
Die
僕は303をフューチャーした曲を一曲は入れたいと思っていて、それがここで活かされた。
本物を同期させてリアルでいじって録ってます。
ボイスサンプルもリアルで入れてて、何度もやり直しました。
「グルーヴがでる!」とかいう変な理由で(笑
マル
この曲のエンジニア、パッチさんは、
昔のホンダレディのレコーディングをやってもらってた人なんだけど、
久々に再会したと思ったら、レコーディングするのはこの曲で、
「なんだ、全然変わってないね」だって(笑
Die
もうホント、突貫で作ったって印象が強い曲だよ。
今でもここをもっとこうすればとか、納得いかない部分や要求が出てくるんだけど、
でも、それだけ有無を言わせない勢いの増したパワーのある曲になっちゃったねぇ。
途中の「シーベリアー」とかは、前回のアルバムから。
自分達のサンプルも使いたいなぁと思ってて、ここで入れました。
最後の「チューリラ」は、今回は入らなかった「night&day」って曲から。
供養(笑
「東雲」
マル
昔、かせきさいだぁが「二十歳を過ぎて自慰行為をする」
というリリックを使っていたけど、それに近い、
おそらく男性ならだれでも経験したことのある、駄目で駄目で
仕方が無いやるせなさを表現できた歌詞。
Die
でも僕はそんなのは汲み取らずに、最初聞いた時
BOOK OFFのCMでかかってる「あのねのね」の曲を思い出した(笑
普通の曲の構成を一切無視した進行が気持ちいい!
マル
で、実際作ってみたものの、キーが高すぎて。
いっつもそう、僕(笑
Die
高いパートが出ない!と弱気なマルを奮起させて、歌をとったんだよね。
デモの段階から完成度が高かったにも関わらず、
選曲会議では不人気だった可哀想な曲(笑
マル
イマイチだったんだよね、反応が。
自信満々でデモ聴かせたら、シーンってしてて、「アレ?」って。
Die
でも入れてよかった!
ハロハロとの繋がりは絶妙。
「hello,hello」
マル
トランスのコンピに曲を書き下ろす(「anima mundi」)ことになって、
「歌ものでトランスをひとつよろしく!」みたいなリクエストがあったので、
歌謡トランス的な感覚で、言いたい事を簡潔にスパッ!と作った。
Die
ホンダが2人になって、「さあどうしよう?」って時に、降ってわいたコンピ参加話。
で、トランスコンピと聞いて、僕達の考えるトランスはやっぱジャーマンでしょ?
と作ったらこうなったんだよねー。
マル
まー蓋を開けてみれば、人力トランスなコンピで、アレ-?って(笑
Die
でも、新生ホンダレディの代名詞的な曲になったんではないでしょーか?
曲的にはマルが全権を握って作ったんで、
僕はTDの時に「こんな感じ」とか言ってただけです。
「もっとアユトランスっぽい、ドーン!」って名言が産まれたのも、この曲(笑
「ラストダンス」
マル
ものすごい救いのない歌詞で、
作り手的には充分すぎるほど手ごたえを感じたんだけど、
ヴォーカルを録り終えてプレイバックしたときに、
曲の世界感ががディープ過ぎて、リスナーとしてすげー落ち込んだんだよなぁ。
自分の作った曲に打ちのめされるってのは、
今まで音楽やってきて、初めての経験。
Die
最後の最後に突き落とす、ディープな曲。
僕の解釈は、都会に出てきた大学生、DJセットは買っては見たものの…って感じ。
作り手の意図がまったく伝わってないのね(笑
マル
ほとんどそんな感じだよね(笑
よく続いてますよ。
んで、内田さんの起用は、ダメもとで頼んだところ、OKもらっちゃって、
「デモ聴きたい」って言われたんだけど、
実は最初のデモでは、8小節くらいしかできてなくて「どーしよー!?」って(笑
Die
曲が仕上がった後に内田さんならすげーDUB DUBしてるなんて思ってたら、
失礼ながら「そうでもないじゃん!」って思ったんだけど(笑
でも、聞けば聞く程奥の深いミックスワークに、今さらながら感動しています。
-アルバムを作り終えた感想を。
マル
1から作ったから長かったなぁ。
レコーディング自体はすごい順調で、
決して難産だったわけではなかったんだけど、ほんっと長かった。
Die
始めてちゃんと盤づくりに参加したんだけど、いろいろ勉強になったなぁ。
こんなに大変だとは思いませんでした。
でも、すげー楽しかった!
マル
そうそう、今回アートワークはDieちゃんが担当してて。
「架空のレコードショップ」ってテーマで、
アルバムの雰囲気がバッチリでてるアートワークで。
Die
こんなレコ屋あったら毎日通うなーってのを出したくて、
家からレコードバック一杯ジャケだけを詰め込んで持っていきました。
マル
アルバム仮タイトルが「LOFT WAVE」だったぐらいだからね(笑
Die
あと、テーマカラーは蛍赤ね。それも注目。
このアルバムが少しでもいろんな人に伝わるといいなと思います。
見た目のアートワークに、もちろん音もね。
マル
みんな聞いてくださいな。
(8月某日都内某所にて。インタビュアー:チッチ)
仮タイトルがそんなんだったとは。
渋谷の「LOFT WAVE」(しかも1階のとき)、懐かしいなあ。
あそこに青春の全てが凝縮されてるヤツ、多そうだもんなあ。
俺もまさにそれだけど。
WAVEとユニオン2号店は聖地だったからな。
そんな、
『甘酸っぱい青春がいっぱい詰まったホンダレディNEWアルバム』
という解釈でよろしいか?
アルバムリリースまであと、3日!