パ写WARPと電子透かし

シブヤ経済新聞:HEADLINE NEWS
「パ写WARP」は、NTTサイバーソリューシュン研究所のモバイル電子透かし「サイバースカッシュ」の技術を利用して、あらかじめ電子透かしコードを埋め込んだ印刷物や画像をカメラ付き携帯電話およびパソコンのWEBカメラで撮影すると、特定のホームページのURLを携帯電話やパソコンに自動入力し、遷移させるサービス。
ネット見てたらこんなニュース記事を見つけた。印刷物や画像に埋め込んだ電子透かしを、ケイタイのカメラなどを利用して読み込ませ、付加情報を入手することができるシステムの実証実験があったらしい。(実証実験はもう2月の段階で終了してます)

:::::パ写WARP:::::
パ写WARPは、カメラ付き携帯電話、またはネットワークに接続したカメラ付きパソコンで、あらかじめ電子透かしコードを埋め込んだ印刷物や画像を撮影するだけで、インターネット上のさまざまなサービスに自動的にアクセスさせるサービスです。

ケイタイカメラでコードを読み込んで、そのコードがら情報を取得する、って、そういえば前にハンチングでも取り上げたQRコードと仕組み、というか、やりたいことは一緒なんだね。でも、このQRコードとパ写WARPとの決定的な違いは、「そのコード自体が意味あるものか。人間が見て視覚的に情報が得られるものか。」という点にある。QRコードの場合は人間が見てもよくわからない記号のようなコードマークだったけど、パ写WARPで提供するコードは人間が見ても意味がある情報、絵や写真、画像とかなんだけど、その中にさらに目には見えないコードが埋め込まれてて、そのコードを読み込むことでさらに付加された情報も得られるって言うとこが違う。見えないのに見えるなんて、なんかすげぇ。スパイ大作戦。

このパ写WARPの「見えないのに見える」というコードの技術には、電子透かしっていう技術が使われてるみたい。

電子透かしって言葉は結構前からいろんなとこで聞いていたので知ってたけど、「画像や写真のデジタル著作物のための著作表示、また、コピー防止のための技術」っていうイメージだったので、こんなことにも使えるんだなあ、って思ったよ。確かに画像とかのデジタルデータに付加データを埋め込んで著作表示してる仕組みから考えれば、その著作表示情報のかわりに何かしらサービスされる付加情報を埋め込んで利用できないこともないもんね。

そこで気になったのが、「電子透かしってどうやって埋め込ませてるか?」って話。

電子透かし入門講座
電子透かしとは、人間が知覚できない程度に透かし情報を埋め込み、デジタルコンテンツの質を損なわせない技術ということができます。さらに乱暴な言い方をすると、誰にもわからないようにデジタルコンテンツに傷(ノイズ)をつけるということになります。
画像への情報埋め込みの仕方としては大きく2つ、標本値埋め込みってやつと周波数成分埋め込みってやりかたがあるらしい。前者は色の陰影などによる視覚のあいまいなとこに情報を埋め込む方法。後者は画像の周波数成分の特定の周波数に情報を刷り込ませるという方法らしい。加工によるデータ消失とかデータの信頼性とかの違いはあれど、結局どちらの場合も、「人間の目ではどうでもいいレベルにごまかして、画像情報に入れ込んでる」って感じなのかな。

QRコードも面白いと思ったけど、やっぱりそのコードを見ても人間には情報として何も受け取れないのがどうしても寂しかった。紙媒体にあってもそのコードの部分は人間が見る限りは無意味なスペースになってしまうわけだし、TVなどの映像で見せられててもパッと見無駄な情報としかなってない部分が生まれてた。でも、この電子透かしを利用した埋め込み情報提供、パ写WARPを使えば、「人間が見ても人間にわかる情報がその場で得られるし、ケイタイなどの読み取り・解読可能なデバイスがあればさらにそこにある付加情報も入手できる」という、『1粒で2度おいしいメディア』になれるんじゃないかと思いますな。

電子透かしの技術、今までは「著作権だ、コピーガードだ。」と、ちょっとカタっくるしいイメージがあったけど、このような「新しい情報提供のためのメディア」と思うとなんかすごい身近に感じる気がしますな。今後のさまざまな実用を楽しみにしたいものです。

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