実物大外装モックアップという習わし

建物、ビルとかの建設現場を素人なりに遠巻きで見て回るのが好きなんだけど、なんか数年前に気になる出来事があった。それはちょうど1年前くらいにオープンしたJR神田万世橋ビルの建設でなんだけど、なんかビルの棟上げが始まる前に「なんかちっこいJR神田万世橋ビル」があったような気がするという個人的にはかなり怪奇な現象があったのだ。ちなみにその時のハンチングクリップのエントリーがこれ。

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神田万世橋ビル建設中 - ハンチングクリップ

交通博物館跡地に建設中の神田万世橋ビル商業ビルになるのかな?

この写真撮影時、エントリー作成時には気が付かなくてこのままでっかいビルに成長していくだろうと思ってたんだけど、しばらくするとあの作ってたビルが小さいままで成長せずにしかも解体されてしまっていたのだ。その時に何が起きたのかよく分からず俺の中の建設現場怪奇現象としてもやもやをずっと心に秘めていたのだが、たまたま建設中の三菱倉庫江戸橋倉庫ビルのことを調べていたらあるブログで気になる内容を見つけた。

日本橋ダイヤビルディング 歴史的建造物「江戸橋倉庫ビル」の外観を保存しながら建替え 養生シートに実物大の拡大写真を印刷!: 東京・大阪 都心上空ヘリコプター遊覧飛行

前回UPした後で、関係者の方から足場を覆う養生シートに実物大の拡大写真が印刷されれた事をメールで教えて頂いたので見に行ってきました。遠くから見ると解体されたビルの外壁のように見えます。  撮影時は、屋上に実物大の外装モックアップがありました。

「外装モックアップ」って言葉はじめて聞いた。というか、業界的にはおなじみの言葉、建設進行作業の1つなのかもしれないけど、業界素人の俺は知らない習わしだった。ちっこい万世橋ビルの正体はこの実物大の外装モックアップだったのかという結論で納得した。

その実物大外装モックアップという習わしについて調べていたら、今年竣工、オープンして話題になったあの第5期歌舞伎座の建設でも大掛かりな外装モックアップを用意したデザイン確認作業なども行われていたんですなー。

建替え現場お食事 | 歌舞伎座

現在、上層階の鉄骨組立が進んでいる建替え現場ですが、並行して外部の様々な場所でも関連する検証作業が進んでいます。その中でも今回は、清水建設東京木工場内に造られた「建物外装モックアップ」をご紹介します。 モックアップとは、原寸大模型のこと。慣れ親しんだ第四期歌舞伎座の意匠を継承する次期新劇場ですが、それでも、従来建材とは異なる材質による質感の違いや、歌舞伎座のカラー、白や赤の色調の度合いなど、やはり原寸大で外の光の下で確認する必要がありました。

一般的な商業オフィスビルよりもさらに外装デザインや塗装の確認など、より現実的な確認が必要な建造物ならではなのかもしれませんな。

これからビル建設はじまったばかりの現場を見つけたらまず外装モックアップを作るかどうか確認して、実物大の外装モックアップが現場で作られるような建物であれば外装モックアップを見ることでいち早く、竣工後のビル外観を想像して興奮したり出来るという何たる素敵なビル建設現場遠巻き見学の楽しみを見つけたというお話でしたー。